
1.高粘度の定義
粘度(viscosity)が高い=「流れにくい」流体。
ハチミツ、グリース、シロップ、樹脂ペースト、潤滑油などが代表的です。
2.主な特徴
(1)流れにくさ
- 形を保ちやすく、外力を加えないとほとんど流れない。
(2)エネルギー消費が大きい
- 粘度が高いため、移送時に大きな圧力やトルクを要する。
- 動力コストが高くなる傾向がある。
(3)キャビテーションが起こりにくい
- 粘度が高いため、急激な流速変化や気泡発生が少ない。
- その代わり、ポンプ内での発熱や摩耗が課題になる。
(4)漏洩しにくい
- 粘度が高いため隙間から漏れにくい。
- ただし、高圧下ではシール部に負荷がかかることもある。
(5)混合・攪拌が困難
- 均一に混ぜるには時間がかかる。
- 専用の 攪拌装置(ローブミキサー・二軸攪拌機など) が必要。
(6)温度依存性が大きい
- 温度上昇で急激に粘度が低下することが多い。
- 加熱して流動性を確保するケースも多い(例:アスファルトや樹脂)。
3.代表例
- 水あめ
- あん
- ジャム
- チョコレート
- でんぷん粉
- バター
- 醸造用イースト
- クリーム
- はちみつ
- マヨネーズ
- ケチャップ
- 化粧クリーム
- 口紅
- 軟膏
- 接着剤
- アスファルト
4.低粘度流体と高粘度流体の比較表
項目 | 低粘度流体 | 高粘度流体 |
流動性 | サラサラして流れやすい | ドロドロして流れにくい |
代表例 | 飲料水・有機溶媒・薬品・燃料など | ハチミツ、グリース、シロップ、オイル |
移送のしやすさ | 少ないエネルギーで移送可能 | 強力なポンプ・高圧が必要 |
ポンプ | 遠心ポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプなど幅広い | ダイヤフラムポンプ、ローブポンプ、スネークポンプなど粘度対応型 |
キャビテーションリスク | 発生しやすい(吸込側で注意) | 発生しにくい |
漏洩リスク | 隙間から漏れやすい | 粘度が高いため比較的漏れにくい |
安全性の注意点 | 揮発性・引火性の液体が多い | 高温で軟化・熱分解するケースあり |
エアダイヤフラムポンプADDで移送可能な粘度を動画でわかりやすく紹介
高粘度流体の納入事例

400,000cpの超高粘度液の圧送
納入:大手化学・化粧品製造工場様
用途:400,000cpの高粘度液の圧送
型式:一軸ねじポンプINPS-100-Ex(サニタリー式一軸ねじ防爆仕様)
| ビーズミルへの圧送を装置化
大手化学・化粧品会社様より、「400,000cp程度の高粘度液を移送したい」とご相談頂きました。
用途を詳しくお伺いすると
・原料タンクで数種類の原料を混合、防爆エリアにて使用。
・混合液をビーズミルへ圧送
・洗浄性/温度管理/圧力監視などが必要
とのことでした。
ポンプとしては洗浄性に優れた高粘度移送ポンプINPS-100を選定。一軸ねじ式の為、高粘度かつ、高圧での移送が可能です。
納入事例
低粘度から高粘度、そして固形物までーー移送にお困りの際はぜひエイチツーにご相談ください。
液体の性質にかかわらず、移送の悩みは私たちが解決します!

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