
1.腐食性流体の定義
金属や樹脂などの材料を化学反応によって劣化・溶解させる性質を持つ液体や気体のことを指します。
工場やプラント設備で扱われる薬液や排水、さらには自然界の一部流体も該当します。
2.主な特徴
(1)材料を壊す力を持つ
- 酸やアルカリ、塩分を含む水などは、鉄やアルミなどの金属を溶かしたり、樹脂を膨張させたりします。
(2)種類によって腐食の仕方が違う
- 酸→鉄や亜鉛を早く溶かす
- アルカリ→アルミや銅を弱くする
- 塩分→サビや小さな穴(ピンホール)をつくる
(3)温度や濃度で腐食の進み方が変わる
- 高温になるほど化学反応が速くなり、腐食も急激に進むことが多い。
(4)見えないところで進行する
- 表面はキレイでも内部や隙間で腐食が進んで突然破損することがある。
3.代表例
1. 酸性の流体
イメージ:理科の実験で鉄くぎを酸に入れると泡が出て溶けていくのと同じ。
例:塩酸、硫酸、硝酸
特徴:金属を溶かす力が強い。鉄や亜鉛は特に弱い。
2. アルカリ性の流体
- 例:苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、水酸化カリウム
- 特徴:酸とは逆に「強いアルカリ」も金属を侵す。特にアルミや銅に大きなダメージ。
- イメージ:アルミホイルを苛性ソーダに入れるとブクブクと溶ける。
3. 塩分を含む流体
- 例:海水、食塩水
- 特徴:ステンレスでもサビを起こす。小さな穴(ピッティング腐食)ができやすい。
- イメージ:海辺の鉄柵がすぐにサビるのは、潮風や海水の塩分のせい。
4. 有機酸や溶剤
- 例:酢酸、アセトン、アミン類
- 特徴:金属だけでなく、ゴムや樹脂を膨らませたり溶かしたりする。
- イメージ:プラスチックの容器が薬品で変形することがある。
5. 高温の水や蒸気
- 例:ボイラーの給水、温泉水
- 特徴:高温だと反応が速くなり、酸素や塩分と合わさると金属の劣化が一気に進む。
- イメージ:温泉地の配管やバルブがすぐにボロボロになるのはこのため。
エアダイヤフラムポンプADDで移送可能な粘度を動画でわかりやすく紹介
腐食性流体の納入事例

粘性スラリーの移送(禁水禁油防爆仕様)
納入:大手化学会社様
用途:危険物流体と固体の混合物の移送
型式:SB-75(カバー仕様)
| 粘性スラリー液をシビアな環境で送りたい
大手化学会社様より、
「2000cp程度の固形物混合流体(30%wt)を送液したい」ごご連絡頂きました。
詳細を伺うと防爆仕様、禁水禁油処理、製品に使用する為コンタミレスが希望でした。
使用条件に当てはまるものとして、サニタリーエアダイヤフラムポンプのSB-75を選定し、高粘度スラリーの為ボールもSUS316にてご提案しました。
納入事例
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液体の性質にかかわらず、移送の悩みは私たちが解決します!

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